中国のパクリについて思う事

最近、中国への出張が多いのですが、その中で中国での模倣製品について
日本で今まで報じられていた内容から様子が変化してきていることを感じています。
そして、その変化を日本企業はまだまだ感じ取れていないことに
実は結構危機感を抱いています。
ということで、僕が感じている中国の模倣事情をまとめておきます。

昨年、AppleがiPhone4Sを発表した直後に中国ではiPhone5が発売された
なんていう面白ニュースが日本でも伝えられたりして
相変わらず、中国は模倣製品の天国だなと感じていたわけですが、
それはどちらかといえばネタニュースの色合いが強くて
中国の模倣製品の本質ではありませんでした。

もっと注視すべき模倣製品は他にありました。
その一例が最近注目している、Xiaomi Phoneという携帯電話です。
この携帯電話は外見もiPhoneにそことなく似ていますが
重要なのは中身もまるまるiPhoneを模倣していることです。

つまり、「粗悪な」模倣品が出回っているのではなく
「同じ性能」の模倣品が市場に出回りだしたわけです。
外見をコピーしている製品であれば、模造品として取り締まれますが
性能をコピーされた場合には、取締りのしようがありません。

これが実現できるのは、中国が世界の工場として
多くの工業製品の部品を製造してきたという実績によるものです。
簡単に言えば、iPhone5をバラして中にあるパーツのメーカーを確認し
同じメーカーから部品を調達して組み立てればよいわけです。
同じパーツが手に入らなくても、そこは中国ですから
同じ性能のパーツなら容易に手に入れる事ができます。

しかも、iPhoneをただ模倣するだけでなく
中国マーケット向けにカスタマイズした機能を盛り込んでいます。

iPhoneなどは価格の中に研究開発費であるとかのれん代が含まれてるわけですから
その分を差し引けばiPhoneと同じ性能の電話が半分の価格で製造できちゃいます。

ということで、中国の模倣製品は外見のコピーが怖いのではなく
製品そのものの性能や中身をまるまるコピーしてしまう事です。
これは、外見のコピーと違って模倣と訴える事も出来ません。

ということは日本企業は本当にコアな部分はきちんと内製し
それ以外の部分は模倣される前提でビジネスを進めないといけない
という当たり前のことを中国でもやらないとダメだってことですね。

でも、その日本企業がコアだと考えているところが
中国だとかインドだとか、その他の新興国では
「過剰品質・機能な部分」として切り捨てられちゃったりしてるんですよね。
それが問題だ。

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